設計インタビュー③

建物完成まであと3週間!?設計士さんに色々なお話を伺ってみました♪

インタビュー①はコチラ

インタビュー②はコチラ

担当したのはこの方です★

一級建築士 根来 直生(ネゴロ ナオキ)さん

アトリエ S.O.C 一級建築士事務所 代表(HPはコチラ

一級建築士登録:国土交通大臣登録第325289号
一級建築士事務所登録:東京都知事登録第53458号
福祉住環境コーディネーター:証 16-2-02316
建築士事務所賠償責任保険加入事務所

2007年 アトリエS.O.C 一級建築士事務所開設
2018年 株式会社S.O.Cマネジメント 設立

正直なところ、木造は鉄骨よりも弱い・燃えそうというイメージがあるのですが

木や鉄という物質名から連想すると、確かに鉄の方が強い・燃えないという印象を抱くかもしれませんね。ですが、歴史的な建造物などは木造で千年以上残っているものもあるように、木=壊れやすい、というわけではありません。

また、木=燃えるというイメージについても、柱や梁に使われるほどの木ともなると、表面は燃えても中心部は燃えずに残る傾向にあります。逆に鉄は超高温では変形をすることもあるため、必ずしも火災の時に鉄だから安心・木だから不安、というわけではありません。

そして建物を建てる際の法律は、火災や地震の際に避難するための設備や仕様が決められ、建物を安全に使うための法律なので、専門的な根拠に基づいています。そのため、法律や理論値を適切に守り、正しく施工してある限りにおいては、素材が木でも鉄でも、安全性における優劣はありません。

また、木造といっても一定の大きさ超える建物になると、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同様に構造計算を行います。構造計算は、法律で定められた地震力に対して建物を支える部材(柱・梁・壁など)が倒壊・損傷しない強度になるように設計していきます。

上記のような緻密な計算を経て、柱や梁や耐力壁という壁などを適材適所に配置し、建物全体的に安全な構造となるように設計されておりますのでご安心下さい。

正しく施工=大工さん次第ということですか?

そうですね、例えば【宮大工】のような超一流の技術を持つ大工さんと、そうでない人とでは、木の加工技術に差があることは事実です。そのため、伝統的な手法(木材の買付をしたり、現場で必要な長さに切ったり、継ぎ手や仕口を手作業で加工する手法)の場合には、職人さんによる出来具合の差異が生じ、それが仕上がり・将来的な建物の寿命などの差になることもあり得ます。

一方で、そういった人的な要因による差異をなくし、安定的に安全な材料・安全な施工が行えるための研究開発もされています。今回使用した木材はポラスさんの【プレカット】という加工がなされているものです。(詳細はコチラ

機械化による木材加工と金物による継ぎ手から、より理論値に近い精密な加工がされている点が特徴です。ちなみにポラスさんのプレカット工場は、つくばみらい市からもすぐの茨城県坂東市にあるんですよ!

木をたくさん使っても、環境破壊にはならないんですか?

大丈夫です。

現在、国内では戦後に植林された木々が成長し、建材利用のピークを迎えております。ですが、外国産材の方が低価格であることから国産材の需要が少なく、林業が衰退して森林を育てるために必要な間伐も行われず、荒れてしまった森が多々あります。そのため、現在はむしろ国が補助金制度も設けて、国産材の利用を推進している状況にあります。

もちろん無計画に伐採していくことは環境破壊に繋がりますが、計画的に国産材を利用することで森林を整備する=林業を復活させる取り組みが政策として動き始めたところなんですよ。

編集者コメント

木の伐採=環境破壊というイメージが強かったので、全体の緑を増やすためには木を切ることも必要というのは意外でした。

木が育ち続けることで、生い茂った木によって日の光が地面に届かず、かえって緑の死滅した土地になってしまいます。そこで、木を間引いて、地面に光が届くようにすることで、低木や草も育つため、植える、育てる、切る、また植えるという循環が、健全な森の維持には欠かせないのだそうです!

さて、次回はいよいよ設計士さんのインタビュー最終回です!(コチラ

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